お金をかけずにサーバーの勉強をしよう

PCとサーバーって何が違うのか

2023年5月9日

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Q. PCとサーバーって違うんでしょ?
A. 同じです。



皆さんは自宅で使っている PCの蓋を開けて中を見たことがあるでしょうか。

昨今はノートPC全盛なので、そうも行かないケースが多いですね。

サーバーのお仕事をしようとしている人で、家ではデスクトップPCを使っているなら是非開けて中味を見て下さい。

最近のは概ねこんな感じだと思います。
[上から見た図] PCの中味を上から見た図
プリント基板の上に CPU(の上に大きな冷却フィンと冷却ファン)・メモリ、端っこに電源です。


一方のサーバーですが、写真は著作権の関係があるのでここには載せません。
検索すれば、これのようにいくらでも出てきますので、そちらを参照願います。

サーバーと言っても基本的には PCと同じ構成なんですが、違うのが以下の点です。

サーバーの蓋を開けて中を見るとこんな風になっています。
(本物とはちょっと違いますが概ねこんな構成)

[上から見た図]
サーバーの中味を上から見た図
電源も2つ入っていたりします。

あとはこれに外付けの大容量ストレージ(SSD/HDDが一杯入っていてハードウェアの機能として RAID構成になってる)を繋げていることが多いです。

PCとサーバーってハードウェア的にはこのように結構違うんですが、大枠でのコンピューターの仕組み(アーキテクチャ)としては同じで、インストールされる OSからはサイズは違うながらも同じようなものに見えます。

CPUコアという概念が無かった昔、CPUを 2つ積めるのはハイエンドなサーバーの特権でしたが、CPUチップ 1つに多数の CPUが載っている設計(メニーコア)の時代には PCとの違いが減ってきましたね。

乱暴に言ってしまうと、サーバーとは信頼性の高い PCということです。

でも冷却は凄いですよ。

サーバーは24時間365日ずっと動きっ放しにするのが普通なので、データセンター(夏でも寒い・消防施設あり)という基本的に人がいない環境で動かすものなので、ゴォォォと大きな風切り音がします。

こんなのが何百台も同じ部屋(サーバールーム)にあるので、写真で見るイメージとは違ってサーバールームはうるさい。


最近はパブリッククラウドが流行りでサーバーに触れたことも無ければ見たことも無いサーバーエンジニアが多くなってきていますが、今でも「オンプレ」と呼ばれる現場では実際にサーバールームも職場になりますね。

先般千葉県に Googleのデータセンターがやってきましたが、あそこには大変な数の専用設計のサーバーが並んでいるはずです。


でも恐れることなかれで、サーバー機だからと言って OSから上の扱いはほとんど PCと変わりません。

仕事はデータセンターではなく基本はリモートでやりますんで、サーバーの所に行くのは壊れた時(吐)だけですから、ここでやっているような PCを使ってサーバーのお勉強をしても実地でちゃんと役に立ちます。


サーバーだけで発生するものってあるかな?と思い出してみますといくつかありました。


1.ネットワーク経由で使えるサーバー管理機能がある

私は HP(ヒューレットパッカード)のサーバーばかりでしたが、他のメーカーでもそれぞれに似た機能を持っています。

サーバーってリモートで使うのが基本なので、サーバーの電源を入れたり切ったりとか、OSがぶっ飛んだ時の画面とか、そういう時のためにサーバー機に物理的に繋がっているモニタ(コンソール)の画面をネットワーク経由で提供できるようになっています。

これは各社で全く統一されていないので、一つ一つ覚えなければなりません。

これは自分で買うでもしなければ自学はできませんけど、そんなに多機能でもないので大丈夫でしょう。


2.ネットワークの線も経路も冗長化する

サーバーには 4つもネットワークの口があったりします。
これはネット回線の障害(断線など)への対策で、複数のネットワーク線を 1つの線と見なす機能を使うのです。

HPサーバーでは「チーミング」って呼んでましたが、Linuxでは「ボンディング」って言ってたかな。

こんな風にネットワークケーブルをつなげるんですけど、これだけで 1台で 4つのネットワーク口が必要です。
ネットワーク接続図

ネットワークケーブルの敷設(4本必要とか)ではデータセンターの施設管理担当者と、スイッチングハブとの接続についてはネットワークの担当者と話をしなければなりません。

これも自学できないものですね。


3.電源も二重化

電源って結構頻繁に壊れます。
なのでサーバーでは 2つ入れて片肺でも稼働できるようになっていて、かつ稼働中に交換できるようになっています。

サーバーラックにくっついている電源タップは、データセンターのビルレベルで多系統に分かれた電源施設から分けた 2系統から取得されているので、2本の電源コードを同じ電源タップに挿してはいけません

サーバーは 200Vが普通のアメリカで作られている関係で、電源ユニットは 200V用のものがデフォになっています。
最近は変わってるかもしれませんが、セータセンターの電圧が 200Vなのか 100Vなのか確認してそれにあったものを選択します。


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同じと謳っておきながら、結構違うか…。

物理的なハードウェアを扱う点での差異は当然ありますが、それは自宅のプライベート環境と仕事の本気環境との違いであって、サーバーエンジニアの仕事の本質ではないかなぁ、語弊があるかも知れませんけど。


最後に1つだけ未経験者にアドバイスを。
サーバールームに行くときは、夏場でも上着を持っていきましょう。(寒いよ)


オンプレのサーバー管理の本って無いですねぇ…

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