サーバーエンジニアをお仕事にしていると、1つのサービスを提供するにしてもサーバーが 1台ってパターンばかりではありません。
「止まらないサービス」としてのサーバー冗長化や「速いサービス」のためにアウトスケール等々色々な工夫がされるので、サーバーエンジニアはこれらの知識を必須とします。
そしてこれらのお勉強は同じような構成を実際に作って動かしてみないことには中々身につかないというのが持論であります。
しかしながら、このお勉強環境を個人で揃えるとなるとお金がいくらあっても足りないのでした。
それ故に、生活の全てを技術に捧げてしまう一部の変態優秀なエンジニアを除いて、この知識を得られるのは仕事でそういう環境に「触れることができる」層に限られていました。
でも 2005年あたりからだったか VMwareなり VirtualBoxなりの仮想化ツールを無償で使えるようになり、自宅に PC1台あれば、複数サーバーで構成するのが当たり前の Kubernetesや Elasticsearch、果ては仮想環境ソレ自体の vSphereまで、1台のPC上で実環境と同じ構成を作ることができるようになりました。
このおかげでサーバーのお勉強環境は著しく安価に用意できるようになり、多くのサーバーエンジニアにとっての福音となりました。
ただその一方で、困ったことが起きてきました。
PC1台ではメモリが足りないのです。
仮想OS 1つあたりで 4GBしか使わないにしても、同時に 5つも立ち上げれば 20GB(+ホストOS分の量)ものメモリが必要になります。
私が使っている PCはいわゆる自作PCというやつで、秋葉原で買ってきたパーツを組み合わせたものです。
元々自作PCをずっと使ってきてはいたのですが、同仮想化ソフトウェアを使えるようになってからはハードウェアの制限上どれだけの量のメモリ搭載できるかが重要になりました。
ですので、そもそもの搭載可能最大メモリ量がデスクトップPCに比べて少ないノートPCはダメです。
そして小型化・低価格化のために搭載可能最大メモリ量を少なくしているメーカー製PCもダメ。
こうして、サーバーエンジニアとして持つべきは、自作PCか拡張性のある BTOの PC(お店で予め部品を集めて動作確認してある PC)のみが対象になるでしょう。
たまに家にサーバーを買ってしまう変態猛者もいますが、家であの轟音はありえません。
このような要求があるので、一番大事なのはマザーボードの選択でして、メモリを差す DIMMスロットが 4つあるものが必須です。
DIMMスロットが 4つだから安心なのではなく、搭載可能最大メモリ量のチェックも必要です。
廉価版のマザーボードだと、搭載可能最大メモリ量が廉価ではない版の半分だったりしますので注意が必要です。
そんな感じで私が 2024年5月現在で使っているのは、Intelの Core iシリーズでは第4世代の Core i5が載っているマザーボードです。
Haswellオジサンなのでした。
いつの時代もマザーボードを買った時に搭載可能最大メモリ量までメモリを積むと偉く高くつきますし、そもそもそういうサイズのメモリがなかったりもしますので、当初は 16GB(4GB x4)にしていました。
数年経って 16GBでは辛くなり、メモリも安くなってきたこともあって、32GB(8GB x4)に換えて今に至っています。
最近市販されているマザーボードは、DDR5の 48GBメモリを 4枚挿して 192GBものメモリを扱えるものが出てきました。
加えてマルチコアの CPUに SSDと、一昔前のサーバー機よりもパワフルな自宅PCを市場価格をパッと見ではありますが、15〜17万円くらいで作れそうな感じでした。
メモリの電源モジュールが DIMM上に乗っているためと聞いていますが、DDR4よりも DDR5では 4枚挿についてはシビアであるようです。
自作PCをやるのはオンプレサーバーをキッティング(メモリとかの部品を組み込むこと)するのと似ていて勉強になります。
このような理由で、サーバーエンジニアを目指す方は是非自作PCにチャレンジしてみてはどうでしょうか。
いや、自作PCが必須ではないかと思う程で。
ところで当ホームページは「お金をかけずに」を標榜している通り貧乏人向けなので、15万円の出費というのは問題があると思います。
自作PCで費用を下げるコツは
- CPUはミドルレンジ以下に抑える (どうせお勉強では大して使わない)
- グラフィックボードは買わない (サーバーのお勉強には基本的にいらない)
- SATAインターフェイスの SSDにして容量を重視 (熱の問題もあるから)
- OSは Linuxにする (サーバーエンジニアなら…)
- 新品を買わずに 64GBのメモリが積める中古をヤフオク等で落とす (←お勧め)
てなところでしょうか。
そろそろ私の環境も複数サーバーを展開する検証のためにメモリを増やしたいのですが、それすなわちマザボからの総入れ替えになります。
しかし Intel 第14世代の CPUと周辺の最新のパーツは高くて手が出ません。
第14世代ではまだ普及帯のマザーボード(1万ちょっと)がほとんどなく、2万以上が普通です。
それに CPUと SSDの熱が酷いと思います。
ゲームをするわけではないのに基本水冷ってのも困ったもので、この電気代高騰の折、夏はクーラーをガンガンに入れないとダメなのも困ります。
中古に良いものが無いかと、オークションをあたってみるのですが、変な産廃業者が不動品を動作未確認品として売っているものが多く、安いものはかなりリスキーだと思います。
そういう事情もあり、たまに秋葉原まで中古の現物を探しに行きます。
無職ゆえ時間がありますので、昼日中にアキバへ。
目的のお店は 2軒あります。
1軒目は「秋葉原最終処分場」です。
駅前の電気街ガード下。矢印の方へ。
矢印の下がラジオデパートの入口。
ラジオデパートに入ります。
エスカレーターで地下へ。
女性一人だと入り辛い雰囲気ですが、至って平和です。
お店の写真はありませんが、今日は ¥15,000くらいのノートPCばっかりでした。
欲しいのは小型のデスクトップです。
先日は IBMの小型デスクトップPCがいっぱいあったのに…。
次はこちら。
ショップインバース。
ジャンクな中古PCがいっぱいあります。
外国人とスペースを譲り合いながら物色するのが醍醐味です。
第4世代の Core i5 (CPU単体・ファンなし)が ¥1,500でいくつも売っていました。
私が欲しかった第7世代 Core i7 は ¥10,000でした。
HPか Dellといったメーカー製のデスクトップPCで、以下のスペックのものが ¥1,500円で何台かありました。
- 第4世代 Core i3
- メモリ DDR3 4GB (MAX 32GB ← これが重要)
- ハードディスクなし
- 無線LANなし
- Windowsライセンスなし
- DVD-Rドライブ
- 本体内蔵 SDカードスロット
- 本体のみ(キーボードなし・マウスなし・電源ケーブルなし)
今使用している PCより弱いので買いませんでしたけど、誰かに「これからサーバーのお勉強をしたいから見繕ってきて」と頼まれたら、コレを買ったでしょう。
以下の追加でサーバーのお勉強環境として使えると思います。
- DDR3 8GB DIMM 中古 4枚 ¥5,000
- HDD 1TB 中古 ¥1,500
- 電源ケーブル 中古 ¥100
- SATAケーブル 中古 ¥100
- キーボード 中古 ¥300
- マウス ¥100
- CPUグリス ¥300
- LANケーブル ¥200
昔はジャンクと言えばもっと安かったのですが、お店で買う場合は PC本体にしろ部品にしろ不動品ということはほぼありませんので、安心料と捉えるのが正しいと思います。
やっぱり買ってくれば良かったかなって今になって後悔しています。
この手の本は必ず最新のものを買いましょう。