Microsoft製 .NETベースの Redis互換キャッシュサーバーの Garnetを Ubuntu Serverにインストールします。
『Software Design』誌で有名な技術評論社のポストで Microsoftが Redis互換で、(Redis互換で 25倍速いという) Dragonflyよりも更に速いというキャッシュサーバーをオープンソースでリリースしたと聞き、これはイカンな…と早速環境構築するものであります。
技術評論社のポストのリンク先は以下の記事でした。
Microsoft、次世代高速キャッシュストアシステム「Garnet」をオープンソースとして公開
これによりますと.NETライブラリが活用されており
とあり、要するに .NETがインストールされている環境なら、Linuxでも Windowsでも動きそうな感じです。
そして、GitHubで公開中というのはここ。
microsoft / garnet
こちらのドキュメントを読むと、やはり Windows/Linuxの両方で動くらしいです。
Redisクライアントをそのままに Garnetを利用できるようにしているので、まずは Redisユーザーを取り込む狙いがあるんでしょう。
Azureには既に Azure Cache for Redisというサービスを展開していますが、これを置きかえるサービスとして考えているのかも知れません。
但し単なる Redis互換の DBまたはキャッシュというのではなくて、Redisにはないデータ型を扱えるとか、違った機能も併せ持っているようです。
既にシャーディング・クラスタリングといった機能も持っているようですので、いつでも Azureのサービスとしてスタートできるだけの状態になっているんではないかと思います。
このホームページでは Redisクラスタも扱っていますが、安定運用するだけの環境を作って維持するのが大変なので、マネージドサービスとして利用できるのはメリットが大きいのですね。
マイクロソフトは、実運用するのが大変な事を知っていて、オープンソースでの公開をし、Azureでのサービス利用への呼び水としての効果も考えたのではないかと想像しています。
凄いのは、Javaのように中間コードを使う .NETというプラットフォームで OS専用のバイナリを動かす Dragonflyより高いパフォーマンスを叩き出していることで、どうも .NET8のスゴさのデモンストレーションとして、オープンソースでの公開に踏み切ったような雰囲気もあります。
Dragonflyはイスラエルの小さな会社が作っているようなんですが、クラウドプラットフォーマーである巨大IT企業がこんなものを出してきて、おまけにパフォーマンス比較の一部にされてしまったのは可哀想と言わざるを得ません。
Redisは古いながらもオリジンとしての地位があり、現行のサービスにも使われているので、消えることはないと思いますが、Dragonflyは風前の灯火かも知れませんね…。
とか何とか言いながら、この回は環境構築も何もせずに終わるのでした。
続きます。
次回から、試しに Ubuntu Serverに環境を作るつもりでおりますが、トライ&エラーになってしまうかも知れません。
ご容赦ください。
一ヶ月後に Ubuntu 24.04がリリースされてからやっても良かったのですが、辛抱タマランとはこのことで。
22.04でやってみます。
「Garnetインストール(Redis互換) 2」に続きます。
===== 2024年3月21日追記 =====
これを書いた矢先に Redisが次期バージョンからライセンスを BSDライセンスから、RSALv2(Redis Source Available License)か SSPLv1(Server Side Public License)に変えるってニュースがありました。
Redisを使ったサービス提供に制限がかかるというもので、過去には Elasticsearchや MongoDBなどが同様の動きをしています。
要はクラウドは開発元に金払えってことなんで、Azure Cache for Redisなんかは影響がありそうです。
それを見越して Garnetを開発しているのかも知れませんが。