PCをそのまま捨ててはいけない。
「PCは産業廃棄物だから、ちゃんと家電店にお金を払って引き取ってもらいましょうね。」というのは間違ってないのですが、ここはその話ではありません。
PCのパーツってのは規格がありますので、メーカー製・自作に関係なく、パーツの流用が効きます。
ですので、基本的にPCは捨ててはいけません。
場所を取るからという事情があって、やむなく捨てるにしても、バラして使えそうなパーツは取っておくべきです。
(ネジでさえ規格品ですから可能な限り保持しましょう)
そうやって自作PCを長く続けていると、何かとパーツが余ってくるものです。
今回はそんなパーツを良く利用して古いPCを復活させたお話です。
1.親の PC
私はジサカーゆえ、家族が PCを欲しがってもメーカー品を買うことは許されません。
メーカ品を買うのが許されるのは中古ノートのみです。
もうすぐ 90歳になろうとしている私の親は、現在 Dellの中古ノートに外付モニタ・キーボード・マウスという組み合わせで Windows 10を使っています。
高齢者ですが、まぁ本人も好きな方なんで、私が知らないうちに趣味の会のホームページを Jimdoで作ってましたね。
その PCの前に使っていたのが小型ケースの自作PCだったんですが、調子が悪くなったので Dellのノートに乗り換えたのでした。
自作PCを直しもせずに長らく放置していたのですが、折角だからと自宅に持って帰ってきました。
2.他の PC入手方法
スバリ「もらう」ですね。
「捨てるなら頂戴!」です。
上に書いたように PCって粗大ごみには出せず、お金を払って産廃業者(またはそこにつながっているお店)に引き取ってもらわないといけません。
そのために、いざ捨てるとなると所有者には面倒臭いのと「まだ使えるのに…結構高かったのに…」という後ろ髪引かれる気持ちがあります。
しかしそこが付け入る隙なんですね、「勿体ない!ぜひ活用させて欲しい!(タダで)」とばかりに貰ってくることはそんなに難しくないように思います。
3.今回の PCの諸元
ケース | 小型 Micro ATX tfx電源(110W)つき 友人からもらったもの |
マザボ | Gigabyte EG41MF-US2H Rev.1 |
CPU | Intel Core2 Duo E7400 2.80GHz 低電力で遅い |
メモリ | DDR2 2GB x2 MAXは 8GBまで |
HDD | なし |
DVD | SATA DVD-Rドライブ |
その他 | フロッピーディスクドライブ |
OS | Windows XP Home DSP版 |
ベジータなら…という年代物です。
でも 64bit CPUなので「古いPCに Linuxを入れる(前編)」で使った NetBookより大分マシです。
現時点でメモリが 4GBしかないですが、8GBまで増設できますしね。
4.まずは掃除
古い PCは大体埃まみれですので、まずは全バラして掃除するのが私の流儀です。
このようにケースを開けて掃除をします。
これは動作確認のための仮組み状態です。
(IDEのフラットケーブルなんて若い人は知らんのじゃないですかね)
近影
CPUファンは固定されておらず、CPUに乗っかってるだけです。
キラリと光る PCIバス x2 (笑)
一応 PCI-Express x16 と x1 があるのが確認できました。
(マニュアルは行方不明です)
電源は開けてしまうと保証が効かなくなってしまうと思いますが、保証期間などとうに過ぎているので躊躇なく蓋を明けて、コイツも丹念に掃除します。
よく見りゃコンデンサから液漏れしてますわ。
(コンデンサに帯電していて危険ですので素人はやらないように)
結局、結構細かい所まで埃が入っていたので、マザーボードもケースから外しました。
やはりその方が掃除が全然楽です。
なおマザーボードにはボタン電池が乗っかっているため、外したマザボは短絡しないよう必ず絶縁物の上に置きましょう。
できればボタン電池はこの際に新品に変えてしまうのが良いと思います。
CMOSクリアにもなりますし。
PCのパーツは静電気に弱いので、大きな金属(アース)に触ってから作業するべきなんですが、新品のときでもなければ私は気にしていませんね。
本来静電気が出るからと NGなやり方なんですが、私はハケで埃を落としながら掃除機で吸っていますよ。
かなりキレイにできます。
もしそれでダメになったら、新しいのを買う口実ができた、と却って喜びましょう(爆)。
5.組み直しとパーツのリプレース
手持ちパーツに以下 2点ありましたので、組み入れと交換をしました。
IDE接続の DVD-Rドライブ | 家内の嫁入り道具の NECの PCに内蔵されていたもの PCはパーツ剥ぎ取りの上で処分済です |
2.5インチ HDD 320GB | 1に出てきたDellノートを SSDに換装したので余ったもの |
その結果このような構成になりました。
ケース | 小型 Micro ATX tfx電源(110W) |
マザボ | Gigabyte EG41MF-US2H Rev.1 Biosは最新状態 |
CPU | Intel Core2 Duo E7400 2.80GHz |
メモリ | DDR2 2GB x2 |
HDD | SATA 2.5インチ 320GB マザボの IFは SATA2 |
Net | オンボード 1Gb/s 無線なし |
DVD | IDE DVD-Rドライブ |
その他 | フロッピーディスクドライブ |
OS | 次で Lubuntu 24.04を入れます |
コイツを HDMIで外部モニタ(WQHD)に繋ぎ、外付けのUSBキーボード・マウスを付け、ネットは有線接続しました。
なお、SATAの DVD-Rドライブが余ったわけですが、当然捨てません。
(これはこれでまた別な出番を待ちます)
5.Linuxインストール
私の好みで超最新の LinuxOSである Lubuntu 24.04をインストールすることにしまして、インストール用メディアとして、Rufusで USBメモリに焼きました。
マザーボードの Biosの設定で、起動順序を HDDよりも USB CD-ROMを優先にしておきました。
いざ、USBメモリを指して、電源を入れ直します。
……
もうね、全く問題なくインストールできました。
6.使用感
Lubuntu自体は他のマシンで使っているものと同じですから、機能的な差はありません。
ただやっぱりというか、時々息をつく感がありますね。
もしかすると HDDを使ってるせいもあるかも知れません。
マザボの HDMI経由の画面出力は最大で FullHDと思われ、残念ながら WQHDの広さを使えませんでしたね。
これはこの世代のハードウェアでは当たり前でしょう。
速度も存外悪くなく、普段は VMware Workstation Proの仮想マシン上で Lubuntuを使っているばかりなので、こうして素の PCに直接インストールして仮想レイヤというオーバーヘッドがないとこんなに軽くなるのねって思いました。
別ノードのサーバーを操作するクライアントPCとしては十分に使えると思いました。
このスペックの PCでサーバーのお勉強は苦しいですが、LPIC1の受験や初心者の Linuxコマンド練習には十分に使えると思います。
プログラミングも余程大きなプロジェクトでもなければ十分にこなせるでしょう。
やはり古くても 64bit CPUであればどうにかなるって感じです。
7.今後の予定
メモリが 4GBしかないのがネックですので、DDR2の 2GB-DIMMを後で 2枚買い足したいと思っています。
もう中古しか売ってなくて、相場では 2GB 2枚セットで 1,000円しない程度。
CPUを Core 2 Quadに換装したいところですが、中古市場でも全然安くなりません。
電源は電解コンデンサの液漏れ・妊娠がありましたので、いつまで持つか分かりません。
tfx電源って売っちゃいますが高いんですねぇ。
一番安く済まそうとしても、1万円くらい、玄人志向のこれになりそう。
電源は高いのになれば 700Wあたりのグラボ電源供給可能なのもありますが、このケースでは最新パーツは排熱が無理っぽい気がします。
それから定番の SSDへの換装ですが、当マザボは時代的に NVMeなんて乗ってません。
じゃ仕方なく SATAでって考えると、インターフェイスが SATA3じゃなくて SATA2なんですよ。
SSDのスピードが活かせません。
そこで PCI-Expressに挿す形式の NVMe SSDのアダプタを使うのがまぁ落とし所かと思います。
とは言え、PCI-Expressのバージョンが分かりませんが、まず最初期のものと思われ、転送速度はそれなりでしょう。
マザボ発売当時に無かったものを使おうというのは、やはり無理があってコスパも悪くなる気がします。
おとなしく HDDを使うか、SATAの SSDの中古(当たりハズレあり)を格安で手に入れられるならやってみようかってくらいです。
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ということで、我が家に Linuxをインストールした PCが 1台増えました。
いつでも使える状態にはしてありますが、きっと使わないでしょうw。
このネタで大事なのは「6.使用感」だけですかね。
Core 2 Duo って古い CPUの時代の PCだって、Linuxのお勉強なら十分にできるよってことです。
諸々の物価上昇が厳しい昨今では、お勉強への投資は全く無駄なく、最低コストで最大効果を得たいところ。
PCにお金をかけずに、スパルタンで質実剛健なお勉強環境を作りたいものです。
「NVMeなんて飾りです!」
偉い人にはわからんのですよ!