サーバー設計・構築・運用という世界に新しく入ってきた人は、最初に何から手を付けていけば良いのかサッパリ分からないと思います。
それぞれには直接関係がないように見える IT技術を色々と繋ぎ合わせてサービスとして構成する、それがサーバーエンジニアの仕事です。
ですのでサーバーエンジニアのお勉強とは、そういった個々のIT技術とそれらを繋ぎ合わせる組み合わせの学習、そういったことになります。
しかしその学習への取っ掛かりがどうにもハッキリしないのは、依然として教育体系ができ上がっていないからです。
プログラミング入門本では 1から 10まで順序立てて書いてある良質のものが数多く出ていて、どのようなプログラミング言語の本でも第三章くらいまでで「Hello World!」を表示するプログラムが書けるようになっています。
翻ってサーバー構築の説明の多くがどうなっているかというと
(例としてWEBサーバーが多いですね)
1.OSインストール
2.WEBサーバー(Apacheや NGINX)インストール
3.HTMLでトップページ作成
4.WEBブラウザでトップページを表示
となっていますが、説明通りにやろうとしても中々やり切れない人が多いんじゃないでしょうか。
プログラミングが IDEと呼ばれる無償のプログラミングツール(VSCodeや Eclipse)の統一された環境の中で完遂できるのと比べて、サーバー構築の方はそもそものハードウェアも OSもない状態です。
サーバー構築では「できた!」と成長を感じられる所(上の手順では 4です)に至るまでに準備しなければならないものが多く、またそれぞれが別な知見を必要とするものになります。
仕組み上はこうなってしまうのは仕方がありません。
学校でもスクールでも上手く教えられるとも思えませんので、きっとどこも苦労しながらカリキュラムをつくっているはずですし、本当に理解して自分のものにさせるのには結構時間がかかると思います。
ですからお勉強する方も大変なのは当たり前で、モチベーションを保つのが大変でしょう。
では実際にどうやって知識を高めていくのか。
経験的には、色々なことに手を出していく他に無いと思います。
そして座学(本を読んだりインターネットで調べたり)と実践(ここでやっているように実際にサーバーを立ち上げてみる)をクルクルと繰り返していくことです。
一見バラバラに思える知識を一つ一つ積み上げていくと、ある時それぞれが繋がっていくことが感じられる日が来ます。
それはまるでジグソーパズルを作る過程のように思えます。
最初は一つ一つのピース(技術や知見)はバラバラに存在していますが、ピースを埋めていくうちに、これまで埋めたピース同士が繋がっていきます。
そうして個々のピースが絵として見えるようになったとき、サーバーエンジニアとしての本当の力となることでしょう。
その境地に至るまでには数年の時間がかかるでしょう。
それでも諦めずに積み上げをしてみて下さい。
サーバーエンジニアになる人が少ないのはこのためですが、逆に捉えればそれだけの積み上げが必要な職業であり、他人がそうそう真似できない強みとも言えます。
プログラマとは違い、インフラエンジニアの範疇に入る縁の下の力持ちという趣きですが、新しい技術が次々と出てくる世界で大変面白いですよ。
2023年5月現在で 私は求職活動中ですが、いくつも内定を貰えました。
きっとサーバーエンジニアが極端な人手不足なんでしょう。
なかなか存在を認識されない不人気職種なので、そもそも在野の人がいないんですよね。
スクール出身のプログラマが多く排出されるようになり、未経験からのプログラマへの転身は若干レッドオーシャンになっているように見えます。
しかしサーバーエンジニアは成り手が少ないのと、ここで書いた通り教育が難しいこともあって、空白期間のある 50代のオッサンに内定がいくつも頂けるくらいにはブルーオーシャンのようです。
IT業界への転身を考えている人は、その候補としてサーバーエンジニアも良いんじゃなかろうかと思っています。
「はじめに(その2)」につづく。
こういった書籍はなくはないので、1つは読んでみることをお勧めします。
サーバ/インフラエンジニアの基本がこれ1冊でしっかり身につく本 [ 馬場 俊彰 ] 価格:2,750円 |
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先輩がやさしく教えるシステム管理者の知識と実務 [ 木下 肇 ] 価格:1,958円 |