PROXMOXで LXCコンテナを立ち上げます。
「PROXMOX9 環境構築 1」と「PROXMOX9 環境構築 2」で PROXMOXのインストールをし、「PROXMOX9 環境構築 3」で Windows Server 2025の仮想OSを立ち上げました。
ところで PROXMOXってどう読むのかな?と思って、YouTubeで英語動画を観てみましたら、
(早口)プラァッックスマァッックス
って大仰に言ってましたね。
アイツ等何考えてんのかよく分かりません。
まぁ日本ではプロックスモックスで良いでしょう。(調べた意味なし)
ここでは PROXMOXの仮想マシン機能(KVM)と並ぶ、コンテナ(LXC)の機能を使ってみます。
コンテナってことで、当初は Dockerのコンテナを動かすんだろうって思っていたんですが、LXCの事を調べてみるとちょっと違うんですね。
勝手な分類ではこんなイメージになりました。
Docker | アプリケーションコンテナ 1つのアプリ(プログラム)を動かすための環境を分離する。 |
LXC | システムコンテナ Linux OSの環境を分離する。 |
仮想マシン | ハードウェアエミュレーター 物理ハードウェアを分離する。 |
Dockerを扱ったことはあるんですが、LXCのシステムコンテナってのは初めてです。
1つの Linux OSの中でカーネルだけ共有して、あたかも Linux OSがいくつもあるように見せられる。
だけどシステムリソースは共有していて無駄がない。
その代わりリソースの取り合いは起こる。
こんなところでしょうか。
Dockerのコンテナでも Ubuntu Linuxのコンテナイメージがありますけど、かなりアレと近いんではないかと思います。
Dockerコンテナはスタート時に実行できるプログラムが 1個だけで systemdが介在しないとかありましたけど、システムコンテナでは systemdが使えますよ。
早速やってみます。
PROXMOXにログインして下さい。
1.コンテナのテンプレートをダウンロード
コンテナを作る前に、テンプレートと呼ばれる Linux OSの種とでも言いましょうか、Dockerで言うところのコンテナイメージのようなのをダウンロードしておかないといけません。
左にあるツリーで [proxmox9] - [local (proxmox9)] と選ぶと右にリストが出ますので [CTテンプレート] を選びます。
更に右に出てくるテンプレートを押します。
多分これは PROXMOXのリポジトリにあるテンプレートの一覧ですね。
他からも足せるようです。
今回は [ubuntu-25.04-standard] を入れてみることにしました。
その行を選んでダウンロードを押します。
ダウンロードが終わったら×で閉じます。
テンプレートの取得を完了しました。
2.コンテナの作成
コンテナを作成します。
ダッシュボード右上のCTを作成を押します。
●[全般]タブ
ノード | このコンテナを実行するPROXMOXサーバーです。 |
リソースプール | 分かりやすくまとめておくためのグループです。 ここでは作成できず、事前に作っておかなくてはなりません。 |
CT ID | 仮想マシン・コンテナを一意に識別するための番号です。 自動で割り振られましたので、そのままにしました。 |
ホスト名 | コンテナに持たせるホスト名です。 |
パスワード パスワードの確認 | コンテナの [root]ユーザーのパスワードです。 |
非特権コンテナ | このコンテナにホストOSの動作に影響するようなシステムコールを許すかどうかのチェックです。 チェックは変更できませんでした。 |
ネスト | どういう意味なのか分かりませんでした。 チェックは変更できませんでした。 |
SSH公開鍵 | このコンテナの [root]ユーザーに登録する公開鍵です。 |
次へを押します。
●[テンプレート]タブ
[テンプレート:] のプルダウンを押すと、先程ダウンロードしたテンプレートが一覧されますので [ubuntu-25.04-standard〜] を選択します。
次へを押します。
●[ディスク]タブ
[ストレージ:] は [local-lvm] しかないので、これを選択しています。
[ディスクサイズ (GiB):] は 8GBでは小さいですが、テストなのでこのまま。
他も変えずに次へを押します。
●[CPU]タブ
とりあえず CPUは 1個にしました。得に意味はありません。
次へを押します。
●[メモリ]タブ
実メモリ 512MBにスワップメモリ 512MBでは少ないですが、テストなのでこのまま。
次へを押します。
●[ネットワーク]タブ
LXCのコンテナは仮想マシンみたいに個々にネットワークインターフェイスを持ってる感じになるんですね。
仮想マシンの時と同様に家庭内LANでの固定IPを設定しました。
[IPv4/CIDR:] は後ろにサブネットマスクの [/24] を付けていることに注意して下さい。
次へを押します。
●[DNS]タブ
仮想マシンの時と同様に家庭内LANの DNSサーバーの IPを設定しました。
([subrohouse.internal]なんてドメインは存在しませんが、便宜上これを入れています。)
次へを押します。
●[確認]タブ
完了を押すとコンテナ作成が開始されます。
「TASK OK」と出たら完了です。
×で閉じます。
コンテナができました。
開始を押して、コンテナを起動します。
2秒くらいで起動したようです。
[コンソール]を選んで、ユーザーは [root]、パスワードはさっき設定したものでログインできます。
Ubuntuだけど [root]ユーザーでログインさせちゃうんだ…って思いました。
Ubuntu 25.04のテンプレートに GUIは入ってなさげですね。
コンテナだからそれで良いのでしょう。
使い方としては Ubuntu Serverに近いです。
この後 apt upgrade をしてみて、インターネットに繋がることも確認できました。
sshdはデフォで立ち上がっていて、一般ユーザーを作成の後、他のマシンから sshでログインもできました。
([root]ユーザーでの sshログインは禁止されていました。)
仮想マシンで Ubuntu Serverをインストールしたのと大差ない感じです。
PROXMOXでの LXCコンテナ作成はこれにて完了です。
えらく簡単でした。
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とりあえず PROXMOXを味わってみるシリーズはこれで終わりなんですけど「かなりイイ」という印象です。
2025年10月にWindows 11になれない自作PCが余ってくるのですけど、Linux化して VMware Workstation Proを入れるか、PROXMOXを入れるか迷っています。
PROXMOXを使う場合のデメリットは、PROXMOXのサーバー以外にクライアントになる PCも使う必要があるところ。
1台で検証作業を全て賄うってわけにいきません。
常設で電気入れっ放しで良いってなら PROXMOX一択なんだがなぁ…。
これなんてメモリが 64GBも載ってますから、3台(PROXMOXのクラスタは 3台から)買ったらさぞ検証が捗ることでしょう。
MiniPCと言っても流石にこのクラスになると 10万を超えてきますね。
ネットの口が 2つあるし PROXMOXクラスタを作るにしても結構マジモンの構成を取れそうです。
総額35万からの出費になりますが、自宅に仮想基盤のクラスタを作れると思うと安いか。
書いてる自分が欲しくなってきたぞ。
(しかしそんなお金はないのはお約束)