PROXMOXのクラスターの共有ディスクとして FreeNASで iSCSIデバイスを作ります。
「PROXMOXクラスター 1」で、PROXMOXクラスター環境を設計しました。
どこから手を着けようかと思って、共有ディスクにすることにしました。
図ではここの箇所です。
これは PROXMOXの知見とは全く関係なく、単に FreeNAS、または iSCSIの汎用的な知見ということになります。
FreeNASの環境作りは「ソフトウェアiSCSIデバイス(FreeNAS)(中編)」の手順でやっていますが、VMware Workstation Playerで作る FreeNAS用の仮想マシンの設定を以下のようにしています。
- CPU 1個
- メモリ 4GB
- FreeNASをインストールするディスクが 10GB
- iSCSIデバイスとしてPROXMOXに提供するディスクが 100GB
- FreeNASのWEB管理画面にアクセスするネットワークインターフェイスとは別に、iSCSIデバイスを提供するため(ディスク上のデータの伝送経路)のためのネットワークインターフェイスも持つ
絵にするとこんな感じです。
VMware Workstation Playerの設定画面はこんな感じです。
FreeNASが起動して、WEB管理画面にアクセスできて、
メニューから [共有] - [Block共有(iSCSI)] を選択したところからの手順になります。
WIZARDを押します。
[名前] は任意で「proxmox-device」としました。
[Device] に [da1] を選択し、次へを押します。
[ポータル *] のところをクリックします。
[Create New] を選択します。
当ポータルのセキュリティ設定をできますが、家でのお勉強用なので今回は設定しません。
[IP *] をクリックします。
このポータルを公開する IPアドレスを選びます。
今回の構成では [192.168.3.154] になります。
次へを押します。
この iSCSIターゲットにアクセスを許可する iSCSIイニシエーターまたは IPアドレスを設定(制限)できます。
3台の PROXMOXサーバーからアクセスさせたいので、[192.168.3.0/24] というネットワークアドレスにしました。
次へを押します。
SUBMITを押します。
保存を押します。
[iqn.2005-10.org.freenas.ctl] は後で使いますので、覚えておきましょう。
(1つしかないから他に選択肢はありませんが)
これで FreeNASの iSCSIデバイスができました。
PROXMOXから使える状態になったと思います。
PROXMOXでは他に NFS(LINUXの共有ディスク)や SMB(Windowsの共有ディスク)も、クラスター用の共有ディスクにできるようですし、FreeNASもこれらの共有ディスクの方式でディスク領域を提供できます。
ただ NFS/SMB は iSCSIに比べてオーバヘッドが多く遅いので、iSCSIをお勧めすると PROXMOXのドキュメントにはありました。
本気環境ではファイバーチャネル(FC)という光ファイバでサーバーと外付けストレージ装置を繋ぐ方式がよく使われてきました。
高速で安定してるんですけど、機器がすごく高いです。
最近はイーサーネットの速度が 10Gb/s なんてえらく高速になってきましたので、比較的安くできるこの技術を使う方式も出てきて利用されています。
(PCでも 2.5Gb/s のネットワークインターフェイスを持つようになってきました)
一方でストレージの方は SSDを使うものが増えてきて、これまた高速になってきていまして、外付けストレージ装置におけるデータ伝送の速度とストレージの速度の追いかけっこはまだまだ続きそうです。
利用者としては、技術革新のおかげでどんどん速くなるので、喜ばしいことですね。
「PROXMOXクラスター 3」につづきます。
安くなったな〜。