3台の PROXMOXサーバーを纏めてクラスター環境にします。
「PROXMOXクラスター 1」で、PROXMOXクラスター環境を設計し、
「PROXMOXクラスター 2」で、FreeNASを使って iSCSIの共有ディスクを作り、
「PROXMOXクラスター 3」で、PROXMOXサーバーを 3台作りました。
ここまででこんな環境ができあがっています。
ここではいよいよクラスター環境を作ります。
全てWEB管理画面からの操作でできるので結構簡単です。
まず 1台目(proxmox1)の WEB管理画面にアクセスします。
左のツリーで [データセンター] を選択し、[クラスタ] を選択したら、クラスタを作成を押します。
[クラスタ名:] は他のクラスタと区別するための名前で任意のもので構いません。
[クラスタネットワーク:] はこのクラスタに所属する PROXMOXサーバー同士が通信し合うネットワークで、ここでの設計では VMware Workstation Playerの [VMnet2](上の図の赤い線)を使います。
[proxmox1]サーバーでは [192.168.2.151] が該当します。
作成を押します。
[TASK OK] になるまで待って、×で閉じます。
これで [proxmox-cluster]クラスターという枠ができました。
次は [proxmox2]サーバー・[proxmox3]サーバーをこのクラスターに参加させます。
再び [proxmox1]サーバーの WEB管理画面です。
Join情報を押します。
情報をコピーを押すと、[Join情報:] の内容がクリップボードに入ります。
これを [proxmox2]サーバー・[proxmox3]サーバーで使います。
[proxmox2]サーバーの WEB管理画面にログインします。
左のツリーで [データセンター] を選択、[クラスタ] を選択して、クラスタに参加を押します。
この画面になるので、[情報:] の枠に、先程コピーした join情報を貼り付けます。
画面がこう変わるので、
[パスワード:] に [proxmox1]サーバーの [root]ユーザーのパスワードを入力、
[クラスタネットワーク:] には上の図の赤線のネットワーク(VMnet2)に繋がっているネットワークインターフェイスの IPアドレスをプルダウンから選択し、
Join 'proxmox-cluster'を押します。
[Join Request OK] となったら良いようです。
×で閉じます。
ところが [proxmox2]サーバーではいつまで経ってもこれが消えませんでした。
一方で [proxmox1]サーバーにはこのようなメッセージが。
何かと思って調べてみますと PROXMOXのフォーラムにこのような質問と回答が。
[SOLVED] after cluster activation, no web access to node
どうもルート証明書の問題らしいですが、よく分からんです。
以下のコマンドを実行すると上手く行くらしいです。
rm /etc/pve/priv/pve-root*
pvecm updatecerts --force
systemctl restart pveproxy.service
[proxmox1]サーバーの画面の左のツリーで、[データセンター] - [proxmox1] を選択し、シェルを押します。
ターミナルのような画面が現れるので、上のコマンドを実行します。
3行目で pveproxy.service を再起動した所で [proxmox1]サーバー・[proxmox2]サーバーともに WEB管理画面の通信が切れてしまうので、改めてログインし直します。
[proxmox1]サーバーでも [proxmox2]サーバーでも、両方のサーバーが [データセンター] の下に出てきました。
どうやらこれでクラスターへの参加はできているようです。
[proxmox3]サーバーで参加作業をしたところ、[proxmox2]サーバーのときのようなエラーにはならずに参加できました。
イイ感じじゃないでしょうか。
このクラスタに iSCSIの共有ディスクを繋ぎます。
どのサーバーでも OKそうですが、とりあえず [proxmox1]サーバーで作業します。
[データセンター] - [ストレージ] と選択し、追加を押すとメニューが出ますので、[iSCSI] を選択します。
この画面になりますので、
[ID:] は他のストレージと区別できるものを任意で、
[Potal:] には iSCSIデバイスのポータルの IPアドレスを入力します。
上の図では青い線のネットワーク(VMnet3)に繋がっている [192.168.3.154] になります。
IPを入れると、[ターゲット:] にポータルから参照できるターゲットが自動で出てきますので、FreeNASの共有設定に出てきたものを選びます。
(この環境では 1つしかない)
追加を押します。
[データセンター] - [ストレージ] に FreeNASで作った iSCSIデバイスを登録できました。
この図のようになりましたので 3台のサーバー全てから使うことができます。
これで仮想基盤のクラスター環境としてはできあがったのではないかと思います。
次回は仮想マシン(VM)を作成して Windows Server 2022をインストールしてみます。
「PROXMOXクラスター 5」につづきます。